こんにちは、ドーピング0会 代表理事の吉田哲朗です。
2024年3月13日、長野県小諸市にある芦原中学校の3年生約130名を対象に、「薬物乱用防止」と「アンチ・ドーピング」に関する特別授業を行いました。
この授業は、長野県の薬剤師であり、同校の学校薬剤師でもある てんじん薬局・小林潤先生 のお声掛けにより実現したものです。
◯ 学校薬剤師とスポーツファーマシストの初の連携授業
今回の試みは、全国的にも非常に珍しい、「学校薬剤師」と「スポーツファーマシスト」が協働して授業を行う形となりました。
薬物乱用防止に加え、スポーツに関わる生徒たちにとっても重要な「うっかりドーピング」を防ぐための知識を提供。実際に、市販の風邪薬やサプリメントでも誤ってドーピング違反になるリスクがあるという事実を、中学生の皆さんにも分かりやすくお伝えしました。
◯ 授業構成と当日の様子
今回の授業は100分にわたって行われ、以下の3部構成で進行しました:
- 前半40分:「薬物乱用防止」講話(小林先生)
- 中盤40分:「アンチ・ドーピング基礎講座」(吉田)
- 後半20分:質疑応答タイム
薬物乱用防止では、依存性薬物やタバコ、アルコールの危険性とともに、若年層に多い「オーバードーズ」の問題にも触れました。
アンチ・ドーピングパートでは、「なぜ市販薬やサプリが問題になるのか」「どのようにして防ぐことができるのか」を中心に、実際の事例とアプリを紹介しながら進めました。
◯ 生徒たちの反応とアンケート結果から
講義後のアンケートでは、多くの生徒が「知らないうちにドーピングしてしまうことがあるなんて初めて知った」「怖いと思った」「気をつけたい」と回答してくれました。
特に印象的だったのは、「何気なく飲んだ薬で2~4年競技ができなくなる可能性があることを知って衝撃を受けた」「薬剤師さんに相談することが大事だと分かった」という声です。
アンケートでは9割以上の生徒が「ドーピングはしたくない」と答え、薬剤師への相談やアプリでの確認を「うっかりドーピングを防ぐ方法」として挙げてくれたのが非常に頼もしく感じました。
◯ 教育現場との連携の可能性
今回の授業は、薬物乱用防止教育にアンチ・ドーピングの視点を取り入れた、新しい形の教育モデルだったと感じています。
スポーツに関わる生徒たちにとって、ただ「薬を使ってはいけない」と言われるのではなく、「どうすれば安全に薬を使えるのか」「ドーピングを防ぐためにどんな知識が必要か」を知ることは、自己管理力を高めるためにも非常に有意義です。
学校薬剤師の先生方にも、ぜひ今後アンチ・ドーピングの視点を少しずつ取り入れていただけたらと願っています。
◯ 最後に
芦原中学校の3年生の皆さん、そしてご協力いただいた小林潤先生、本当にありがとうございました。
「ドーピングはスポーツ選手だけの問題」ではなく、「誰もがうっかりやってしまうリスクがある」ということを今回の授業で伝えられたこと、大変嬉しく思います。
ドーピング0会では、これからも教育現場と連携し、若い世代に向けた啓発活動を広げていきます。
「正しい知識」が「未来を守る力」になりますように。