みなさん、こんにちは。
一般社団法人ドーピング0会・代表理事、薬剤師の吉田哲朗です。
このたび、公益社団法人 富士五湖薬剤師会様よりご依頼をいただき、2024年10月24日に開催された第88回富士五湖薬剤師会研修会にて、講師として登壇させていただきました。
当日は現地で多くの薬剤師の皆様にお集まりいただき、私の活動テーマである「スポーツファーマシストとしてのキャリアと可能性」について、90分間お話しさせていただきました。
講演テーマ:「薬剤師としてのキャリアを広げるスポーツファーマシストの可能性」
今回の講演では、スポーツファーマシストという比較的新しい資格・活動領域を通じて、薬剤師としてのキャリアの“新たな選択肢”を持っていただくきっかけになればという想いで構成しました。
薬剤師とスポーツ——
一見、遠いように感じられるかもしれませんが、実際には薬の専門家として、アスリートを支える大切な役割があります。
例えば、禁止物質を含む市販薬やサプリメント、漢方薬などは、ドーピングのリスクと常に隣り合わせです。
そこに正しい知識を持った薬剤師が関与することで、選手の不安を取り除き、安心して競技に集中できる環境づくりができるのです。
公認スポーツファーマシストって何をするの?
公認スポーツファーマシストとは、JADA(日本アンチ・ドーピング機構)が認定する専門資格です。アンチ・ドーピングに関する知識を習得した薬剤師が、この資格を通じてスポーツ現場に貢献しています。
今回の講演では、以下のような内容を中心にお話ししました。
- スポーツファーマシストの制度と活動内容
- 調査ツールのご紹介と実践
- 市販薬やサプリメントのドーピングリスク
- アスリートから寄せられるリアルな相談事例
また、私自身がスポーツファーマシストとして携わってきた
トップアスリートや学生アスリートなど多様な現場での実例を紹介しながら、具体的にどのような支援ができるのかをイメージしやすいようにお伝えしました。
参加者の反応と質疑応答
講演後は、嬉しいことに多くの質問をいただきました。
「自分の地域でもできることはありますか?」
「漢方薬にも禁止成分があるのですか?」
「TUEの申請はどう支援すれば良いのか?」など、参加者の皆様が真剣にスポーツ現場との関わりを考えてくださっていることが、質疑の一つひとつから伝わってきました。
また、「自分の薬剤師人生にこんな選択肢があるとは知らなかった」という声もあり、
今回の講演が、キャリアの視野を広げるきっかけになれば嬉しいなと、私自身も改めて感じました。
スポーツの世界で薬剤師が活躍するということ
私がスポーツファーマシストを志したのは、「スポーツが好き」「薬剤師として何かできるのでは」という思いからでした。
今では、サプリメントの開発やアンチ・ドーピング教育、地域との連携など、スポーツと薬剤師の掛け合わせが多くの可能性を生む現場に立ち会っています。
特別な資格や経験がなくても、まずは「知っているだけで守れるアスリートがいる」ということを、ぜひ多くの薬剤師の方に知っていただきたいと思っています。
スポーツに関わる薬剤師が増えれば、安心して挑戦できるアスリートも増えていきます。
そのための一歩を、ぜひ一緒に踏み出していただけたら嬉しいです。
最後に
このような貴重な機会をくださった富士五湖薬剤師会の皆様に心より感謝申し上げます。
地域に根差した薬剤師会だからこそ、多職種連携やスポーツとの関わりに関心を持ってくださることがとても嬉しく、
今後も一緒に活動できるきっかけがあれば光栄です。
スポーツファーマシストという存在が、薬剤師のキャリアの“選択肢”として、
少しでも多くの方の視野に入っていくことを願って——
これからも、挑戦する人を支える薬剤師として活動してまいります。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!