2025年10月、滋賀県で開催される国民スポーツ大会(通称:国スポ)を目前に控え、地域の薬剤師の間でもアンチドーピングに対する関心が高まっています。
そんな中、私たち「ドーピング0会」は、びわこ薬剤師会のご依頼を受け、国スポに向けたアンチドーピング研修会を実施しました。
今回の研修は、単なる情報提供にとどまらず、「薬剤師としてスポーツの現場にどう関わるか」「医薬品の正しい知識をアスリートにどう伝えるか」といった、実践的な視点を重視した内容となりました。
アンチドーピング × 薬剤師=クリーンスポーツの要
アンチドーピングと言うと、アスリート個人の意識の問題と捉えられがちですが、実際には周囲のサポート体制が非常に重要です。
特に、日常的に医薬品やサプリメントに関わる薬剤師の存在は、アスリートにとって心強いものです。
研修では、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)の基準や、禁止物質の具体例などを紹介。
「うっかりドーピング」を防ぐには何が必要か? を参加者とともに考えました。
研修会の様子と参加者の反応
当日は土曜の夜にもかかわらず、びわこ薬剤師会の会員を中心に、多くの薬剤師の方々にご参加いただきました。
皆さん非常に熱心で、講義中も積極的にメモをとってくださる方が多かったのが印象的でした。
中でも関心が高かったのが「市販薬に含まれる禁止成分」について、とサプリメントの第三者認証の話題。
アスリートが風邪を引いた時など、処方薬や市販薬の選択を誤ることで、ドーピング違反になるリスクがあるという現実に多くの方が驚かれていました。
また、実際のサプリメントを手に取りながら、サプリメントのリスクについて考えていただく機会となりました。
地域薬剤師のネットワークが生む「安心」
また、今回の研修をきっかけに、薬剤師同士のネットワークの中で「公認スポーツファーマシスト」の存在が再認識されました。
地域で活動する薬剤師の中に、アンチドーピングに詳しい専門家がいることは、選手や指導者にとっても大きな安心材料となります。
国スポに向けて、地域が一丸に
国民スポーツ大会は、地域の誇りをかけた一大イベントです。
そこに出場するアスリートたちが、クリーンな状態で全力を出せるよう、周囲がどうサポートしていくかが試されます。
びわこ薬剤師会との連携を通じて、私たち「ドーピング0会」も、地域全体の意識を高める一翼を担うことができました。
今回の研修をきっかけに、今後さらに多くの薬剤師や医療関係者と連携を広げていければと考えています。
■おわりに
アンチドーピングは、決して「違反を取り締まるためのもの」ではなく、「アスリートの健康と公平性を守るためのもの」です。
そしてその担い手は、選手本人だけでなく、薬剤師や医療従事者など多くの人々です。
今後も「ドーピング0会」は、スポーツの未来を守るため、現場とともに歩む研修活動を続けていきます。
この場をお借りして、今回、ご縁をいただいた、びわこ薬剤師会の大井様、びわこ薬剤師会様に感謝申し上げます。

