こんにちは。一般社団法人ドーピング0会 代表理事の吉田哲朗です。
このたびご縁をいただき、公認スポーツ栄養士の研修において、「アスリートを守るためのドーピング対策」をテーマに講義を担当させていただきました。
スポーツファーマシストとして、これまで多くのアスリート支援の現場に携わってきた私にとって、公認スポーツ栄養士の皆さんへアンチ・ドーピングの知識を届ける機会をいただけたことは非常に光栄で、意義深いものでした。
スポーツ栄養士 × アンチ・ドーピングの関係
スポーツ栄養士の皆さんは、日々、アスリートと近い距離で関わっている存在です。栄養面のサポートだけでなく、時には「風邪薬を飲んでも大丈夫?」「このサプリって使っていいのかな?」といった、薬やサプリメントに関する質問を受けることもあるのではないでしょうか。
だからこそ、アンチ・ドーピングの知識は、スポーツ栄養士にとって“専門外”ではなく、守備範囲であるべき分野になりつつあります。
今回の講義では、まさに現場で必要とされる「今すぐ使えるドーピング対策の実践知」にフォーカスし、90分の講義を担当させていただきました。
実際の講義タイトルと内容
私が担当した講義タイトルは
「現場で使える!アスリートを守るためのドーピング対策」です。
内容としては以下のようなトピックをお伝えしました:
- 市販薬や風邪薬に含まれる禁止物質のリスク
- 禁止物質を調べるための便利な検索ツール(Global DRO、DINX等)
- サプリメント選びで見るべき「第三者認証マーク」の違いと信頼度
- 実際のドーピング違反事例(うっかり事例)と未然に防ぐ工夫
- TUE(治療使用特例)の考え方と申請サポートの必要性
すぐに現場で活用できるよう、「スポーツ栄養士ならではの視点で、どこまでリスクを予測できるか?」を意識した構成にし、資料や図解も交えて具体的に解説しました。
研修プログラムの全体像
この研修は、2024年12月23日~2025年1月7日までの期間限定でオンライン配信された講義プログラムの一部であり、著名な先生方による多彩なセッションが組まれています。
たとえば
- 鈴木志保子先生による「健康づくりとアスリートの栄養管理」
- 渡口槙子先生と松本恵先生による「パリ五輪での栄養サポート報告」
- 早川琢也先生による「スポーツ現場におけるメンタルヘルスと心理支援」など
この中で私が登壇したのは【講義4】に該当し、「ドーピングリスクの具体的回避方法」に重点を置いてお話をさせていただきました。
スポーツ栄養士との連携が未来を変える
私自身、薬剤師としての知識を活かしてサプリメント開発やアスリート支援に取り組む中で、
スポーツ栄養士の皆さんと協働することの重要性を常々実感しています。
アスリートの身体をつくり、コンディションを支える存在として、栄養士の存在は日々の生活・競技生活に欠かせません。
そして、ドーピングを“未然に防ぐ”観点からも、薬の選び方やサプリメントの指導に対して「ワンランク上の対応力」が求められる場面が増えています。
だからこそ、今回のような研修において、
アンチ・ドーピングの考え方を共有し、栄養士の皆さんと連携の接点を持てることは、極めて意義深いと感じています。
最後に
今回の研修会に携わってくださった関係者の皆さま、そして視聴いただいたスポーツ栄養士の皆さま、本当にありがとうございました。
「公認スポーツ栄養士 × スポーツファーマシスト」の連携は、まだまだこれから広がっていく分野です。
私たちドーピング0会としても、今後さらに他職種との連携を深めながら、“アスリートを守る”という共通の目的に向かって進んでいきたいと考えています。
これからも、現場に寄り添い、知識を届け、そして一緒に考えていける機会を大切にしていきたいと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!